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ワタミの個人株主向け経営説明会へ行ってきました

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ワタミの個人株主向け説明会へ行ってきました。

(9月10日追記:ワタミ、介護事業を売却へ
→ 農業事業も売却して飲食事業に注力した方がいいと思いますね)

ワタミの個人株主むけ経営説明会

ワタミは株主総会を東京でしているので、関西の株主向けに株主総会とは別に経営説明会を開いています。今回はその説明会へ参加してきました。

とりあえず、先に結論

  • ワタミの株は売る
  • ワクワク感がない

細かい理由は順番に書いていきます。

ワタミを見放す理由

  • 創業者が現場を離れた
  • ブラック経営から脱却
  • 経営状況が悪い(GC注記)
  • 経営陣が頼りない

一番は創業者の渡邉美樹が政治家になって現場を離れたことが大きいです。良くも悪くもワタミを引っ張ってきた牽引力がなくなり、会社自身に勢いがなくなっています。

2つ目は1つ目とも関連しますが、ワタミはブラック企業の代名詞というほど従業員を酷使するビジネススタイルでした。従業員を酷使して利益を出すビジネスモデルだったのですが、ブラック企業のレッテル脱却のために従業員をケアする施策を取り入れるたことで利益が出にくい体質になりました。

1つ目、2つ目がすべての原因ですが、その結果3番目と4番目につながっていきます。

経営状況に関しての抜粋です。

項目 平成23 平成24 平成25 平成26 平成27
売上高 123,877 140,197 157,765 163,155 155,310
営業利益 6,285 7,246 8,773 2,946 -2,072
純利益 2,828 3,418 3,540 -4,912 -12,857
自己資本比率(%) 28.9 26.0 25.4 17.5 7.3

(単位:百万円)

この2年で急速に経営状況が悪化しています。特に、平成27(2015)年は最終利益が大幅赤字となり、自己資本比率が7.3%と以前と比較して激減しています。

その結果を受けて、有価証券報告書にはGC(ゴーイングコンサーン:企業の永続性)に注記が載りました。これは、倒産の一歩手前で「投資するにはリスクがありますよ」という注記になります。

そのまま行けば大変なことになるので、来年度の予算計画は黒字を発表しています。ただ、これは具体的な戦略や施策がなければ説得力がありませんので、注意してみておく必要があります。もちろん、資金を融資している金融機関からいろいろな条件や注文が入っていると思いますので、この1年でどう切り抜けるかを見極める重要な年になると思います。

最後の「経営陣が頼りない」というのは、

  • 創業者のようなカリスマ性・牽引力がない
  • 危機意識が薄い
  • 具体的な戦略が見えてこない

かなり会社としては危機的な状況ですが、経営者にこの状況を打破できるような勢いを感じません。新任した清水社長は堅実・利口なタイプに見えましたが、他の従業員に危機感や連帯感を抱かして苦難を乗り越えていくリーダーには見えませんでした。

他の経営陣はもっと残念な感じで、いわゆる脳筋タイプっぽくて論理的な戦略や新しいビジネスチャンスを考えているようには見えませんでした。

とにかく、見直しや切り詰める話が多く、新しく未来のある話がほとんどなかったので、「これは期待できないな」と感じた次第です。

質疑応答で

株主からの質疑応答でよく出たのが

  • ブラック企業のレッテルをどうやって解消するか
  • 経営陣に危機感がない
  • 店舗やメニューがよくない
  • 外部の意見を取り入れる仕組み作り
  • 昼食産業へのビジネス展開

なかにはどうでもいい質問もありましたが、大半は現状のワタミをきちんと捉えた上での叱咤激励でした。ワタミ自身もいろいろと手を打っているようでしたが、今回の質疑応答や発表内容の印象では劇的な改善にはつながらなさそうでした。

特に、今までの夜の居酒屋産業に頼ってきたツケで、新しい世間の流れに対応できていない感じを受けました。

個人的な見解

ワタミの個人的な見解ですが

今まで

立場 評価
投資家視点 良い
従業員視点 悪い
顧客視点 普通

だったのが、こんな感じに印象が変わっています。

立場 評価
投資家視点 悪い↓
従業員視点 普通↑
顧客視点 普通→

ブラック企業とレッテルを貼られてたのを解消するために、従業員の待遇改善を図りました。これはすごくいいことですが、ワタミは従業員を酷使することで利益追求していたため、このモデルが崩れて一気に経営状況が悪化したようです。

10年以上前は世間のニーズとマッチして「家族でも行ける居酒屋」という感じでしたが、近年は他社も同じような店をいろいろと出してきているのでワタミ魅力も無くなってしまいました。そこへ、ブラック企業の対策で経営状況が悪化しているので、好転できる材料がありません。

資本主義はすばらしいもので、競争力があるもの(需要があるもの)が勝ち残っていきます。ところが、ワタミのようにルール違反があった場合に、社会全体でペナルティを与えるようになっています。(過熱しすぎたり、きちんとルールチェックが働かないところもありますが)

個人的には、ワタミはブラック企業の栄枯盛衰として後々のビジネスケースとして語られるんじゃないかと思います。中小企業は多少ブラックでないと生き残れない事実があります。ただ、そのビジネスモデルのまま大きくなってしまうとそのうちに社会からペナルティーを受けるという好例ではないでしょうか。

投資家(株主)視点としては、ワタミファンでない限り、ワタミよりもより魅力のある会社や産業へ投資するという判断になると思います。

おわりに

長々と書きましたが、ブラック企業への社会的制裁を目の当たりにした気がしました。個人的には投資家視点として魅力がなくなったと思いましたので、これを機にワタミ株は手放したいと思います。

それと、60以上の老人ばっかりの株式総会というのはやっぱり残念。お金や時間にゆとりのある老人が多いのはわかりますが、若い人がもっと経営とかビジネスに目を向ける機会はないのかしら。今回のワタミは関西でもこういう場を作ってくれるのはすばらしいと思います。他にも、株主総会をネット配信したり、ネットを通じた情報公開が進んで、いろんな側面で会社や従業員・顧客が刺激のある世の中になってほしいと思います。

ちょっと話は変わって、ギリシャの国民投票はどうなるのだろ? 週明け相場は大荒れになるの? ちょっとそれが心配です。