SoftBankの株主総会を見てみて
今日(6/19)SoftBankの株主総会がありました。
ぼくもSoftBankの株をいくらか持っていますが、もちろん株主総会に参加できないのでネット動画で見ました。
SoftBankの何がすごいっていうのは、すでに兆の単位の売上(2015年で8.7兆円)がありながら挑戦しつづける孫社長です。きっと50年,100年後にも松下幸之助のように歴史に名前が残る企業家なのは間違いなさそうです。
今回の目玉
そんなSoftBankの今回の株主総会の一番の目玉は次期社長候補のニケシュ・アローラ氏のお披露目です。ニケシュ氏はGoogleを躍進させた立役者で、報酬も数十億円ももらう世界トップクラスの経営者です。SoftBankの一番の弱点だった後継者問題が一挙に解決した感じです。
株主総会なので決算報告や今後の事業展開、決議事項の承認なんかもありますが、どちらかというと予定調和でこっちがおまけな感じでした。
SoftBankの今後
つい2,3年前までは国内で戦う企業だったのが、いつのまにか日本ではなく世界で戦う企業になった感じになりました。すでにドコモやauなんかは相手にしていない感じですね。
米国のSprint買収も今までのようなYahoo Japan立ち上げやYahooBB、Vodafoneの買収の延長で、自分の身の丈に合わないハイリスクな投資です。それでも今まで成功させてきたので、今回も成功させるんじゃないかと勝手に思っています。
というのも、孫社長は学生時代にコンピュータの勉強で留学して、それをもとに日本で企業しました。今までの日本の社長や企業というのは、日本の文化でそのまま海外へ持っていこうとして失敗した事例が多かったのに対して、孫社長自身がすでに海外のカルチャーを持っています。なので、すでに海外の有数の企業家とも友好関係や人脈を土台にしてビジネス展開できます。(今回のニケシュ氏の引き抜きやiPhoneのジョブズ氏など)
そんなSoftBankが具体的に目指す次期ビジネスは次の3つです。
- IoT
- AI
- スマートロボット
それぞれ簡単に説明すると、IoTはInternet of Thingsの略で「すべての物がネットにつながる」ということで、最近IT界隈で流行語となっています。AIは人工知能のことで、例えば翻訳や自動運転やスマート検索などです。スマートロボットというのは、工場で使うようなロボットではなく、もっと人間に身近な家庭などで対話できるロボットのことです(最近Pepperを発表しました)。
つい最近まで、クリーンエネルギーや光の道とか言っていましたが、すでにそれらはあまり興味がなくなった感じですね(^^;
そして、市場はすでに日本を離れ米国や中国などの今後も伸びる市場がターゲットとなっています。その中でも注目なのがインドということで、次期社長候補のニケシュ氏もインド出身ということもあり、このあたりも期待が持てそうです。
SoftBankのやり方は
- ドル箱市場への893乗り込み
- 成長期待の分野・国への先行投資
特に1つめの市場の破壊者で「自分のやりたいことは何が何でもやる」的な姿勢で旧態依然の日本の市場をいろいろ破壊してきました。そして最近では、2つ目の先行投資の種が実って(Alibabaなど)大きな収益となっています。どちらも今までの日本企業にはあまりみられない特徴だと思います(スズキのインド展開などありますが)。すでにSoftBank自体が何年も前からですが、ひとつの投資会社としての側面が大きくなっているとも受けとれます。
株主としては
質疑応答で「配当性向が低い」という人がいましたが、そんな人はSoftBankの株主に向いていないと思います。事業が拡大しているときは配当などにお金を回さずに、新しい事業などにお金を回す方が結果的には大きな収益になります。例えば、Microsoftなどが何年も無配当だったのもそんな理由からです。逆に配当を出すようになったということは、ある程度企業としての成長が止まったと考える方がいいと思います。
特に、最近はドッグイヤーならぬラットイヤーと言われるくらい時間の流れが速い時代です。そんな時代で先頭を走っていくには成長・変革し続けるしかありません。ということで、個人的には配当なんか0でもいいので、今まで通り攻めに攻めて行く戦略を支持したいと思います。というか、そういう人が応援する会社がSoftBankという会社だと思っています。
あと、質疑の時に「役員報酬8億円は撤廃した方がいいのでは?」という意見がありました。今回のニケシュ氏のような世界有数の経営者を招くには8億円というのはあまりにも低いと同じく思いました。これから世界と戦うのであれば、日本ローカルな文化は捨てて世界と戦える仕組みをどんどん取り入れていってほしいと思います。日本文化ということで関連した一部記事で「社内の叩き上げを切り捨てるとはけしからん」という論調がありましたが、孫社長が後継者に日本人ではなくニケシュ氏を後継者に選んだ時点でこのあたりは心配しなくてもよさそうです。※もちろん日本文化は大切ですが、それに足を引っ張られるようなことがあってはいけないと考えています
おわりに
ということで、Sprintの件以上のサプライズが起こってびっくりすることを期待したいです。(Sony買収とかそんなの)
それと、個人的に企業としてのSoftBank支持ですが、携帯は来月からはSoftBankを解約して格安SIMに乗り換え検討中・・・(^^;